
「見る側」から「伝える側」へ —— 視点が変わる瞬間をくれた講座
現在、テレビ朝日で気象コーナーのディレクターとして、裏方の仕事に携わっている塚田さん。
今回は、講師を務めた福岡良子が、そんな塚田さんにお話を伺いました。
「お天気キャスターを本気で目指し始めた原点は、まさにこの講座だった」と語ってくれた塚田さん。
受講当時の思い、そしてそこから現在に至るまでの歩みを、あらためて振り返っていただきました。
「伝える仕事」へのあこがれと、気象への興味
―講座を受講するきっかけは?
大学生の頃にお天気キャスターという職業に興味を持ちました。ただ、テレビに映る「表」の部分しか知らなかったので、どのように準備されているのか、裏側をもっと知りたくて。講座を通して、仕事の本質に触れてみたいと思ったんです。
―お天気キャスターを目指した理由は?
小さい頃から「自分の言葉で伝える仕事」に関心がありました。さらに、趣味のスキーを通して、日本各地の気候の違いに興味を持つようになって。例えば、同じ季節でも日本海側は雪が多くて、地元の山梨は人工雪だったりして。そういった自然の不思議を知りたい、伝えたいという気持ちが重なって、お天気キャスターに強く惹かれました。
初めての原稿作成、そして中継実習
―講座で印象に残っている内容はありますか?
2つあります。ひとつは、自分で原稿を書いたこと。天気図1枚から「何を伝えるか」を考えるのは本当に難しかったです。見るだけなら分かっているつもりでも、いざ自分が書くとなると全然違う。気象予報士の資格を持っていても、伝える側の視点は全くの別世界なんだと痛感しました。
もうひとつは、気象神社での中継実習。現場で得た情報をその場で伝える、リアルな緊張感がありました。言葉にどう乗せて届けるか、実際に体験しなければ分からない大切さと難しさを学びました。

現場で活きる、講座で得た「姿勢」と「視点」
―実際の仕事に活かされていると感じることは?
受講生同士の率直な意見交換の経験は、今の仕事にも活きています。「もっとこうした方が伝わるよ」といったアドバイスをし合えたことが、いい空気をつくってくれた。現場でも、より良い気象コーナーを目指すチームとしての一体感に通じるものがあります。
また、講座で学んだ「わかりやすさを意識した画面づくり」や「テーマに一貫性を持たせる構成の組み立て方」も、今の業務でとても役立っています。
―難しかったことは?
カメラの前で指し棒を使いながら話す、という最も「見られる」部分の仕事が一番難しかったです。スマホで録画して何度も練習し、客観的な自分を見る大切さを学びました。最初はとても緊張しましたが、練習を重ねることで少しずつ自信をつけられたと思います。

「自分にはできないかも」が「やってみたい!」に変わった

―講座を通して変化したことは?
以前は「なれたらいいな」と思っていても、「自分にはできないかも…」という不安が大きかったです。でも、講座を受けて原稿を書いたり、中継を体験したり見学したりする中で、「楽しい!やってみたい!」と気持ちが変化していきました。あこがれが、行動に移せる目標になったんです。
―印象に残っている講師の言葉はありますか?
福岡先生の経歴やお仕事の話を赤裸々に聞けたことが、とても大きな転機でした。「コメントは自分で作る」というお話が特に印象的で、表しか見えていなかった自分の視野が広がりました。
現在の仕事と、これからの目標
―現在はどのようなお仕事を?
今は気象コーナーのテロップ出しや画面切り替えなど、放送を支える裏方の仕事をしています。オンエア中はミスが許されないので、とても緊張感があります。
ただ、正直まだ知識も経験も浅く、自分の無力さを痛感する場面もあります。それでも、「任せられる存在になりたい」という気持ちで一つひとつ学んでいます。
―現在のお仕事までの流れは?
講座を受ける前から『応援ナビ』には登録していたんです。
採用説明会にも参加して、10分程の面談を受けて、エントリーシートも提出したんですけど、最初は通らなくて…。やっぱり厳しい世界なんだなって思いました。
それでも、チャンスがあればとにかくたくさん応募していたら、後日『キャスターではないけど、まずこういうお仕事からどうですか?』って連絡をいただいて。
それが、今のテレビ朝日の気象コーナーのお仕事につながりました。
―今後の目標は?
まずは今の仕事をしっかり身につけて、信頼される存在になりたいです。その上で、ゆくゆくはやっぱりキャスターにも挑戦したい。全国どこでも行きたいですが、いつかは地元・山梨でお天気を伝えられたら嬉しいですね。
これから受講を考えている方へ
お天気キャスターの仕事について、ゼロから学べる講座です。不安はあって当然ですが、講座では講師や仲間が見守ってくれる安心感がありました。「みんなで高め合おう」という雰囲気の中で、自分も少しずつ成長できたと感じています。興味があるなら、ぜひ飛び込んでみてください。きっと得られるものがあります。
受講生から「同僚」へ——インタビューを終えて

今春から、偶然にも塚田さんと同じテレビ朝日のウェザーセンターで働かせていただいています。
「いつか受講生と一緒に仕事をしたい」という密かな夢が叶って感無量です。
まだ直接ゆっくり話す機会は少ないのですが、塚田さんが着実に現場に馴染み、柔らかい雰囲気で場を和ませているのがとても頼もしく感じられます。
講座で伝えたかったことが、実際の現場で彼女の中に根付いているのを見て、本当に嬉しく思います。
お天気キャスターの世界は、決してキラキラした表の顔だけではありません。むしろ、地道な準備や日々の努力が求められる仕事です。だからこそ、「やってみたい」と一歩踏み出す人たちを、私は本気で応援したいと思っています。
夢を現実に変える瞬間に、立ち会える講座でありたい。
受講をきっかけに、「見る」から「伝える」への一歩が生まれること。
それが何よりのやりがいです。
未来の仲間との出会いを、心から楽しみにしています。