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ウメがほころび、モモが咲き、サクラの花がにおうたびに、大気中に春がきたと思うけれども、タンポポだけは“大地の春”である。
『季節つれづれ事典 倉嶋厚の折々の記』 倉嶋厚(著)より 

大大大先輩の倉嶋厚さんはタンポポの黄色い花を見ると「大地に春が来た」と感じるそう。

確かに「どうしてこんなところに?」と思うような都会のど真ん中の地面にも這いつくばるように葉を広げ、凛と一輪の花を咲かせるタンポポの姿には、まさに“大地の春”という言葉がピッタリな気がします。

その力強さは名前にも。
英語でタンポポはダンディライオン(dandelion)と言いますが、これは“ライオンの歯”という意味。葉のギザギザの形がライオンの歯に似ているからだそう。
名前の由来にもなる位、「タンポポ=力強い」というイメージを持つ人が多かったのかもしれません。

ちなみにフランス語ではピッサンリ(pissenlit)。
これは“ベッドに小便をする”という意味。
タンポポの葉に利尿作用があるということからついたそうです。
どうやらタンポポは力強い花であると同時に、寝小便の花でもあったようです。
タンポポ茶やタンポポコーヒーなどもありますし、むくみに悩む女性にとっては、タンポポが“力強い”味方になってくれるかもしれません。

参考文献『季節つれづれ事典 倉嶋厚の折々の記』倉嶋厚(著) 東京堂出版

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