先日、小石川後楽園で、雪吊り見学会が行われました。
雪吊りとは、樹木の枝を縄で吊り、雪の重みで木の枝が折れないようにする技法のことです。
豪雪地帯に多く見られ、特に、金沢の兼六園が有名ですよね。
でも、なぜ雪が少ない東京でも雪吊りをするのでしょうか。
それは、冬になり、まとっていた鮮やかな紅葉のドレスを脱いで寂しそうにしている木々たちに、少しおめかしをしてあげるため。
雪吊りは、東京では冬の庭園の風物詩として知られるほど、日本独特の造園技術でもあるんですね。
地域によって雪の量や性質が異なるため、雪吊りの仕様も異なります。
都立公園で観賞できるのは「北部式」「南部式」「兼六園式」の3種類。
その見分け方のポイントは“裾周りの作り方”です。
小石川後楽園は「北部式」。
“装飾的”な雪吊りで
竹を傘の骨のように取り付け、吊り縄を結びつけます。
この縄は、畳と同じ材料でできているそうですよ。
「南部式」も装飾的である一方、「兼六園式」は“実用的”な元祖雪吊り。
兼六園式は、北部や南部式のように裾周りは作らず、直接木の枝に荒縄を結びつけています。
ちなみに
北部式 :小石川後楽園、六義園、旧古河庭園、殿ヶ谷戸庭園
南部式 :浜離宮恩賜庭園、旧芝離宮恩賜庭園、清澄庭園、向島百花園
兼六園式:旧芝離宮恩賜庭園、六義園
で見られるそうです。
この違いに着目してみると、より雪吊りが楽しめるかもしれませんね。
そしてこの週末は、豪雪地帯で雪吊りが大活躍することになりそうです。
上空には今シーズン一番の寒気が流れ込み
気象予報士試験に出したい位の典型的な冬型の気圧配置に。
きのうから雪が降り続き北陸から北日本の日本海側では、市街地でも雪が積もっています。
北陸地方・東北地方の日本海側ではあすの朝にかけて多い所で70センチの大雪に。
あすはさらに冬型が強まるため、北陸や北日本ではより一層、大雪や暴風、高波に警戒が必要です。