春は一年の中でも一番寒暖差が大きい季節ですがこの季節に活躍してくれるのがカーディガン!
きょうもお世話になっている方は多いのではないでしょうか。
TBS天気部屋の女性陣もみなさんカーディガンです!
そもそもカーディガンってなんでカーディガンというのでしょうか?
ということで、カーディガンを辞書で調べてみると・・・
カーディガン【cardigan】
〔考案者であるイギリスのカーディガン伯爵の名前から〕毛糸編みまたはニットで作る,襟のない前あきの上着。 [季] 冬。
【大辞林 第三版より引用】
ん?カーディガン伯爵!?そんな方がいらっしゃったのですね。
そこで今度はカーディガン伯爵について調べてみると・・・
カーディガン伯爵はクリミア戦争の名将として知られ
軍服の下に着るセーターの前を縦に切り開き、
ボタンで留める形のもの(後に「カーディガン」とよばれる)を愛用。
部下にも同じものを着させていたという。
なぜ彼がそうしたのかははっきりしておらず
一説には上着と一緒に着脱できて便利だから、とか
負傷した際、手当てや着脱がしやすいから、とか
さらにはせっかく整えた頭髪が乱れるから、など諸説あるようです。
さらに調べていくと、クリミア戦争から生まれたのは「カーディガン」だけではないことを発見!
厳寒期を耐え抜くための防寒具として「ラグランコート」や「バラクラバ帽」(泥棒がよくかぶっている目出し帽)もクリミア戦争生まれ。
色んな衣料品の名前も誕生しました。
レインコートとしての「アクアスキュータム」、傷病兵の袖付き肩掛けを、当時、野戦病院で活躍していた「ナイチンゲール」と呼んでいたようです。
また、天気予報が生まれたのも、このクリミア戦争がきっかけでした。
クリミア戦争中(1854年11月14日)、フランス軍の戦艦が暴風雨(バラクラバ暴風)により7000トンの軍需品とともに黒海で沈没。
当時のフランス国王ナポレオン3世に原因究明を命じられたパリ天文台長のルベリエが気象観測と天気図作成を開始。
これが天気予報のはじまりとなったのです。
ちなみに上に書いたラグランコートが生まれたのも、このバラクラバ暴風がきっかけ。暴風雨で補給船も沈没したことで防寒具が不足した結果、ラグラン男爵が苦肉の策で、手元にあった天幕で誰でも着られる防寒具を作ったのがラグランコートのはじまりです。
戦争によって技術だけでなく洋服も改良されてきたんですね。
おしゃれのために作られていると思っていた洋服のデザインには、実は人間の生きる知恵が詰まっていたことに驚きました。
そんなきょうもカーディガンが大活躍の寒暖差に!
北海道では雪降る寒さとなった一方で、関東では今年初の夏日になったところもありました。
が、このあと、気温があがった関東も一気に気温が下がります。
<東京の時系列予報>
素敵な発明をしてくださったカーディガン伯爵に感謝しつつ、今夜もカーディガンのお世話になろうと思います。
【出典 化繊月報(1997年8月/1998年1月号)】