先週のオゾンゾンデ観測、そして國本予報士の紫外線量の記事に続き、今週も気象研究所でのお話を…
今回は風速計について。
ただ、風速計は風速計でも、“風速計を検査する装置”についてのお話です。
気象庁では、アメダスの観測精度を維持するため、人間の健康診断同様、定期的に風速計も検査を行っています。
予報士試験でそんなことを勉強したような気もしますが、実際のその装置を見たのは初めて!
その時に使用するのが「風洞」と呼ばれるこちら↓の装置。

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この装置を使って実際に風を発生させることで検査を行っています。
私が見たのは3代目の風洞。
2代目が老朽化したため、2012年、つくばに新たに設置されました。

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(上記写真3枚は気象庁HPより引用)

新しい風洞は、2代目の風洞に比べ、風の制御が容易になり、秒速0.35m~秒速108mまでの広範囲の風を起こすことができるうえ、短時間に安定した空気の流れを発生させることができるようになりました。 

検査項目は主に2項目。
①精度検査
(秒速0.35m~90mまでの風速を段階的に設定し、測定精度が規定値内にあるかを確認する検査。)
②構造検査
(測定上限の1.2倍の風に風速計が耐えられるかを確認する検査。例えば、測定上限90mの風速計だと108mの風に耐えられるかといった検査。)

ちなみに、政府や民間企業などが防災目的で観測を行う場合にも、この風洞を使って検査が行われているそうす。(その場合は有料。)

私が見学した時の風速は測定上限に近い秒速89.3mでしたが、1966年9月5日、沖縄県宮古島では台風のもと最大瞬間風速85.3mを記録しています。(全国2位の記録。1位は1966年9月25日、富士山で91.0m)

この時、センター内ではかなりの轟音でしたが、台風シーズンになるとこんな暴風にも耐えないといけないんですもんね。風速計なんだから測定できて当たり前といえば当たり前なんですが、実際にこの装置を見ると改めてこういった検定作業の大切さを痛感しました。Anemometerこの時、センター内ではかなりの轟音でしたが、台風シーズンになるとこんな暴風にも耐えないといけないんですもんね。風速計なんだから測定できて当たり前といえば当たり前なんですが、実際にこの装置を見ると改めてこういった検定作業の大切さを痛感しました。

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