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4月18日の「発明の日」を含む1週間(4月14日~20日)は「科学技術週間」
ということで、この科学技術週間にあわせて
気象庁気象研究所・高層気象台・気象測器検定センターでは施設の一般公開が行われまして
國本未華予報士とともにつくばまで行って参りました。

マニアにはたまらない催しが随所に開催されていて、気付けば5時間以上も歩き回っておりました(笑)

その中で今回ご紹介したいのが「オゾンゾンデ観測」

そもそもオゾンってなんぞや、と言いますと
有害な紫外線を吸収し、わたしたち生き物を守ってくれる優秀な物質。
成層圏(約10~50km上空)に多く存在していて、これがいわゆるオゾン層です。

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(環境省HPより引用)

しかし、エアコンなどに使われるフロンガスはこの大事なオゾン層を破壊してしまいます。
そうすると、地表に有害な紫外線が届き、皮膚ガンなどになる人が増える、と言われています。

そこで、オゾン量の観測が重要になってくるというわけなんですね。

気象庁がオゾン量を観測する方法は大きく分けて2種類。
1.分光光度計を用いて地上から観測する方法
2.観測器を直接飛ばして観測する方法

オゾンゾンデ観測は2。
この観測の瞬間を今回、特別に見学することができました。

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ゴム気球にオゾン量を測定する測器を吊り下げて上空へ放ちます。
地上から上空約35kmまで上昇し、直接オゾン量を観測してくれるのです。

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オゾン量を測定するオゾンゾンデ。これをゴム気球に吊り下げます。

誤観測を防ぐため、飛場1時間前に
1.下層雲や中層雲が予想される場合
2.風により飛場困難が予想される場合
3.降雨が予想される場合
は、観測をとりやめます。

このオゾンゾンデ観測は、つくばの他にも、札幌や那覇、南極の昭和基地でも行われています。

1982年に初めて、日本の観測隊が南極の上空にオゾンホールを発見したんですが
このオゾンホールの原因解明に、昭和基地でのオゾンゾンデ観測が重要な役割を果たしたそうです。

(※オゾンホール:人為的原因により、南極上空のオゾン量が極端に少なくなる現象。
オゾン層に穴の空いたような状態であることからその名が付けられました。)

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このグラフ、気象庁発行「オゾン観測指針」という冊子をコピーしたものなのでちょっと見づらいですが・・・

これは昭和基地におけるオゾン量の高度別分布で
細い点線:オゾンホールが発見される前の1968~80年の10月の月平均値
太 実線:オゾンホールが発見された年を含む1981~90年の10月の平均値
を表しています。

太い実線の方は、下部成層圏でのオゾン減少が顕著ですよね。

今後もこのオゾンゾンデ観測による精密なオゾン観測が不可欠と言えそうです。

最後に・・・気象研究所で出会った職員の方がさらっと
「ここで働く人のほとんどは南極経験者ですよ」という言葉に驚きました。
気象に携わる者としては、南極には特別な思い入れがあります。
一般応募もしていると小耳に挟んだのでちょっと調べてみようと思います。

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