きょうで11月も終わりですね。
この先も(弱い)冬型の気圧配置が続き、天気図からも季節の歩みを感じます。
そんな中で、これからシーズンを迎えるのがそうめん作りです。
そこで、そうめんの産地として有名な奈良県にある、「三輪そうめん老舗 池利」の方にお話をお聞きしました。
このそうめん作りで鍵を握るのは「気温」と「湿度」。
小麦粉と塩水を混ぜ、熟成させるのですが、塩加減が何より大事。
塩加減を決める上で重要なのが「気温」なんです。
というのも、塩は熟成を促す役割をしていて
気温が高い→塩の量を多くする(小麦粉がどんどん伸びるため)
気温が低い→塩の量が少なくてすむ
小麦粉本来の香りや歯応えを活かすには、塩は少ない方がいいそうです。
つまり、これからの時期がそうめん作りには最も適しているんです。
そうめん師の中でも、塩水を作ることができるのは総責任者である「重(おもし)」と呼ばれる方だけ。
重さんの一番の仕事は天気を見ること、と言っても過言ではありません。
当日・翌日の天気・気温・湿度をテレビやラジオ、新聞の天気予報を参考にするのはもちろん、
最終的には、作業当日の早朝に、重さんの肌で感じた自然と長年の経験や勘をもとに、
塩加減を決めているそうです。
そして「乾燥」も欠かせません。
完全に乾かしても水分量は14%位で
雨が降ったり、南風が吹いたりすると16~17%に。
乾燥に失敗したまま保管してしまうと、完成品でもかびが出てきてしまうんだそうです。
今年の11月は例年より早く冬型の気圧配置に。
日本海側では平年よりも降水量が多くなっています。
そして最新の3か月予報によるとこの冬も、寒気が流れ込みやすく、冬型となる日が多くなる予想に。
つまり、奈良県は晴れて空気の乾いた、まさにそうめん作りに適した天気が続くことに。
次の夏は美味しいそうめんが期待できそうですね。