先日、千葉県の一宮へサーフィンに行ってきました。
(水深30cmで溺れてしまい、入って3分であがりましたが・・・)
そこであることを発見しました。
海沿いに植えられている木を見ると、マツの木ばっかりなんです。
その時、初めて、私は保安林という存在を知りました。
ここに植えられているマツはぜーんぶ保安林だったんです。
そもそも保安林とは、災害を防ぐなどの目的を達成するために指定されたものであり、
保安林に指定されると伐採や開発行為が制限されます。
保安林は目的によって種類が分けられていて、種類はなんと17種類!
(千葉県ホームページより引用)
指定の目的は必ずしも一つというわけではなく、二つ以上の目的で指定されている保安林もあります。(そのような保安林を「兼種保安林」と言います。)
例えば、千葉県の海岸にある松林の多くは三つの目的で兼種指定された保安林です。
「飛砂の防備」、「潮害の防備」、「保健」保安林で、下の表で言うと4と7と16ですね。
では、なぜ保安林にマツが多いのか。
それは海岸に生育できる樹種でクロマツに替わるものがないからです。
①クロマツは高木のため、海からの強風に耐えられる
②潮に強い(葉がブラシのようになっていて塩分を葉で捉えられるため)
③土砂の流出を防ぐ
という理由からだそうです。
こんな風に重要な機能を持つ九十九里の松林ですが、いろいろな問題も抱えています。
全国的に蔓延している松くい虫の被害により、千葉県のマツはほとんど壊滅状態となっており、かろうじて残されているのが海岸のクロマツです。
一宮の海岸付近も松くい虫と東日本大震災の被害を受け、一部が枯れてしまったそう。
そこで、松林を再生させるべく、育てているところがありました。
これらが木になるにはこれから30~40年かかるそうです。
私達の知らないところで計り知れない努力があって、素晴らしい景観や安全な暮らしが守られていたんですね。
白い砂浜と青々とした松がおりなす美しい海岸の景色を指して「白砂青松」という言葉がありますが九十九里海岸は「日本の白砂青松100選」に選ばれています。
今後も国民の財産として、そして生活を守る保安林としての機能が発揮できるよう、松林が維持されることを願います。