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写真提供 静岡地方気象台

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きょうは各地で雨となっていますがみなさんは「春の雨」と言えば、どんな雨をイメージしますか?

厳しい寒さに耐え、待ち焦がれた春に降る優しい雨に人も植物も動物もみんなどこかホッとしている。
私にとって、春の雨はそんなイメージです。

そして、日本には、この絶妙なニュアンスを見事なまでに表現した美しい言葉がたくさんあります。
それはそれはもう思わずため息が出てしまうような美しい言葉たちなのです・・・

私が特に好きな言葉は
「紅雨」(こうう)、「甘雨」(かんう)、「催花雨」(さいかう)
でしょうか。

どうですか、春の花に降り注ぐ雨や、草木を潤し育てる雨の様子が伝わってきませんか?

他にも、春雨特有の軽やかさを表現した「軽雨」(けいう)
花々を育てる「育花雨」(いくかう)や「養花雨」(ようかう)
それぞれの花に降る雨の様子を表した「桜雨」(さくらあめ)や「杏花雨」(きょうかう)
雪解けを進める「雪解雨」(ゆきげあめ)

など、雨のことば辞典によると、春の雨だけでも、50を超える言葉たちが並びます。

また、これは春の雨には限りませんが、紅雨のように、色で表す雨の言葉もあります。

黒雨(こくう)…黒い雲から降る土砂降りの雨
白雨(はくう)…日に輝いて降る夕立のような雨
青雨(せいう)…若葉を濡らす雨

鮮明な四季、そして繊細な感性を持つ日本だからこそ生まれた言葉ですよね。

今までやっかいでしかなかった雨も、この言葉を知るだけで雨の見方が変わりませんか?
雨の見方を変えるのも、気象予報士の仕事のひとつだと思っています。

そして、きょうの雨は、まさしく花の成長を促してくれる「催花雨」と言えるのではないでしょうか。

いよいよ桜前線スタートの瞬間も目下に迫ってきています。

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(午後4時過ぎにさくら開花予想を追記しました)

参考文献
『雨のことば辞典』倉嶋厚(監修) 講談社
『季節おもしろ事典 倉嶋厚の風のたより』倉嶋厚(著) 東京堂出版

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